4. エクソソームを用いた未来の医療開発

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分子病理学分野
「 RNA医薬品の経口投与を可能にする植物由来エクソソームによる新規DDSキャリアの開発 」

当分野では世界に先駆けてDDSとしてのエクソソームの有用性に注目して研究を行ってきました。特にEGFRに高い親和性を有するGE11ペプチドを持つ人工改変エクソソームの作成にも成功しています。我々は、このエクソソームに腫瘍抑制性のRNAを内包させ、モデル動物においても腫瘍抑制効果を示すことを明らかにしました。この研究は、DDS開発におけるエポックメイキングな技術となり、論文引用件数は1,200回をこえています。一方で、 "動物細胞由来"エクソソームは消化管による分解を受けるため経口投与のRNA医薬品は難しいことが大きな課題となっています。そこで、我々は植物を含む他の生物由来小胞にも着目し、アセロラ果実から経口投与可能なエクソソーム様小胞を見いだしました。現在は、患者に優しい経口投与のRNA医薬品の開発を目指して、AMEDの支援を受けてアセロラ果汁由来エクソソームによる医薬品の開発を行っています。
■分野HP>> ■研究実績に関する主な論文<1>2013年1月<2>2021年6月


医学総合研究所 分子細胞治療研究部門
「 エクソソームによる新規治療法の開発 」

当研究室では、エクソソームを介したがんの増殖、浸潤、転移などのがん悪性化メカニズムおよび、がん微小環境の形成や前転移ニッチェの形成メカニズム解明に向けて研究を行っています。例えば、がん細胞が分泌するエクソソームに内包されるmiRNAが腫瘍内血管新生を引き起こし、その結果、エクソソームおよびエクソソーム内miRNAが転移にも関与していることを明らかにしました。さらに、がん細胞が分泌するエクソソームは脳血液関門を破壊し、脳転移を促進する一因であることも報告しています。がん細胞のみならず、非がん細胞である骨髄由来間葉系幹細胞が分泌するエクソソームが、がん細胞の休眠状態を誘導し、長期再発に関与していることを明らかにしました。こうしたエクソソームの機能解析から得られた知見をがん治療へ応用することも試みています。がん細胞のエクソソーム分泌を阻害することで、がん微小環境や前転移巣の形成に必要な情報を遮断し、転移を抑制する研究をしており、さらに、血中に分泌されたがん細胞由来のエクソソームを除去する治療法の開発も行っています。
■部門HP>> ■研究実績に関する主な論文<1>2015年4月1日<2>2017年3月6日

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